この作品は2014年に公開された伝記映画で、原作はイラク戦争に4度従軍したクリス・カイルの自伝「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」を基にした作品です。
目次
映画「アメリカン・スナイパー」
・戦争モノの作品が観たい
・伝説の狙撃手「クリス・カイル」の話に興味がある
・実話の作品が観たい
・戦争による心の影響がどのようなモノなのか知りたい
イラク戦線で活躍した伝説の狙撃手クリス・カイルの苦悩と葛藤を、巨匠クリント・イーストウッド監督が映画化。
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) July 8, 2015
『アメリカン・スナイパー』ブルーレイ&DVD、本日リリース。
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あらすじ
海軍へ志願
主人公クリス・カイルはアメリカ・テキサス州に生まれ、狩猟の技術などを父親から厳しく教わりながら育った。
主人公 クリス・カイル ⤴
大人になったカイルは、アメリカ大使館爆破事件をきっかけに海軍へ志願し、厳しい訓練を経て、特殊部隊シールズに配属された。
ある日、タヤという女性とバーで出会い、恋に落ちるがアメリカ同時多発テロが発生する。
結婚式をするが式の最中、戦地への派遣命令が下され、現地へ向かう。
1回目の派遣
イラク戦争でカイルは現地で狙撃兵として類まれな才能を開花し、多くのアメリカ兵を助けたと称賛され「レジェンド」と呼ばれるように。
しかし、仲間の死や、手榴弾を持った女・子供を狙撃したことでカイルの心は乱れていきます。
当初の約束通り三週間の派遣でアメリカに帰国するが、心ここにあらず。
腹を大きくしたタヤの産婦人科の付き添いで行くが、看護師がカイルの様子がおかしいと血圧を測ると上が170もあった。
その後出産するが、妻に「心も帰ってきてもらいたい」といい、2回目の派遣に向かう。
2回目の派遣
この頃、カイルは敵から「悪魔」と呼ばれ、懸賞金を掛けられ、現地民からもタレコミをされるようになり、命を狙われる存在になる。
テロ組織を率いる「ザルカーウィー」を捜索する作戦に参加し、元狙撃のオリンピック選手の狙撃手「ムスタファ」と遭遇し、以降何度も対決する。
潜入した家にいた現地民は、カイルらアメリカ兵と話したと言われ、テロ組織により射殺される。
そしてカイルは再び帰国する。
車の整備工場にてカイルに命を救われたという男が現れ、感謝の言葉を告げられる。
妹も生まれ、病院で泣き叫ぶ娘を見て、世話をしない看護師を怒鳴り散らす。
また妻に「あなたは姿はここにいても、心はここにいない」と言われる。
そして3回目の派遣へ。
3回目の派遣
潜伏した家の屋上にて、戦友のビグルスは顔に傷を負い、視力を失う。
ビグルスを救護班に届け、すぐに現地に戻るが、戦友マークが射殺される。
再び帰国するが、帰国時の棺の数は5つに。
ビグルスの見舞いに行くが、その後手術中に死亡したと連絡が入る。
カイルは現地での光景、戦友の死から戦争によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)に蝕まれていくのでした。
妻との会話で「俺に何かあったら誰かいい人を見つけろ」と言います。
カイルは「自分が行かなかったら一生後悔する」
妻は「あなたに人間に戻ってほしい、ここにいてもらいたい」と言います。
そしてカイルは4回目の派遣へ。
4回目の派遣
サドルシティへ行き、敵の制圧地域でついに宿敵「ムスタファ」の姿を捉え、約2000キロ離れた場所に
いたムスタファを射殺します。
しかし、その場所は敵の制圧地域ということで、射撃音から敵に潜伏していることばバレてしまい、敵の一斉攻撃が始まる。
弾倉も残り少なくなり、カイルは死を覚悟したのか妻に電話し「俺はうちに帰る」と言います。
砂嵐が現地を襲い、カイルたちは砂嵐を利用しなんとか脱出に成功する。
そして帰国する。
カイルを蝕むPTSD
帰国しても、カイルの心は蝕まれたままで、すぐに家に帰らずバーでお酒を飲んでいました。
家に帰っても点いていないテレビの前でボーっとするカイル。
犬に本気で襲い掛かろうとするカイル。
カウンセリングを受け、戦争で傷を負った仲間達と会い、少しずつ落ち着きを取り戻します。
ある日退役軍人社会復帰プログラムの一貫として行った射撃訓練先で、同行者の男性に射殺され命を落とします。
事件の真相
作品の最後のテロップにて、「その日クリス・カイルは、力になろうとした元兵士に殺された」と表示されます。
作品での情報はそれだけで、著者は最後に出てきた元兵士は確かに怪しそうな感じだったけど、なんで?と疑問に思いました。
そしてネットで調べてみると、、、。
「ベストセラーになった回想録の映画化が進む中、2013年2月2日、当時38歳だったカイルはテキサス州フォートワース郊外の射撃場で元海兵隊員のエディー・レイ・ルースに至近距離から撃たれて死亡した。
その時一緒に支援活動を手伝っていた仲間もルースに射殺された。
犯行時はルースがドラッグとアルコールの影響を受けていた可能性があることが明らかになっており、ルース自身もPTSDに苦しめられていて、自分のしたことがわからない状態だった。身の危険を感じて二人を殺さなければならないと思い込んでいたと、弁護側は主張した。
そして陪審はルースに有罪判決を言い渡し、裁判所は仮釈放なしの終身刑を言い渡した」と書かれていました。
つまりカイルを射殺したルース自身も戦争で心を崩壊させられた犠牲者だったということなんですね。
カイルはせっかく生還したのに、皮肉にも最後は仲間に殺されたしまったという悲しい最後を迎えてしまいました。
ココが見どころ
著者は同時多発テロが起きた後、アメリカ兵がイラクに派遣されていたのはニュースを見て知っていましたが、現地で何が起きているのか大体の想像しかしていませんでした。
退役後のPTSDに苦しむ姿は観ていて本当に辛かったです。
家族にも理解されない、家族を守るためにイラクで戦う=国の為に戦う、これは中々今の世の中だと理解されないのではないのでしょうか?
特に現地で手榴弾を持って出てきた女性と子供を射殺するシーンとグレネードランチャーを持った子供を撃つか迷うシーン。
目の前で仲間が射殺されるシーン。
あんなのPTSDになって当たり前だと思います。
逆にならない人はよっぽどの心の持ち主です。
心の弱い人、観る覚悟が出ない人はこの作品は観ないほうがいいのでは?と思います。
肝心な作品の内容としては、最後までハラハラドキドキさせられ、惹きつけられる内容です。
2回目、3回目、、、と再び現地に派遣する時は「え?また行くの?」と思わず突っ込みたくなります。
とりあえず何回も派遣されるが、無事には帰ってきてくれるから、その度に安堵させられます。
敵のスナイパーとの対決は見物でした。
最後に
この話は戦争の話だけれど、そんなに過去の話ではなく、今こうしている間も世界のどこかでテロなどが起きて、人が死んでいっているなんて考えられないですよね。
あまりにも非日常過ぎて考えられない世界です。
それを考えると著者の悩みなんてなんてくだらないんだと思います。
今こうして自分が生きていることに感謝し、一日でも早く世界に平和が訪れることを願っています。
この作品のおすすめ度 4.8 / 5 点